ようやく
乗れた。むしろ乗った。
今日も休日出勤で、走行会をキャンセルしたくらいですが、思いのほか仕事が早めに(といっても朝4時くらい)完了したので、ドライブ。
リモコンロックで開錠。光るウインカーが「お疲れ」と語りかけてくれているよう。
ドアを開けると久々に臭う車内特有の匂い。
オイルとか、灰皿のタバコとか、シートに染みついた汗とかの、俺の領域のにおい。
久々にキーを差し込む。
キュルルル……ドゥルルルンン…
エンジンは無事にかかった。良かった。
オイルがロードスターの全身を駆けめぐるのがわかる感じ。だけど、アイドリングがいつもより安定しない。1000回転を切るまでにいつもより少し時間がかかった。やはり長いこと火を入れていなかったからか。ロードスターが息継ぎをしているよう。
ごめんよー。俺の仕事っぷりがヘボかったせいでお前にも辛い思いをさせたなぁー。
RHTをオープンにして、いざ出発。まだ前日の寒さが残っていて、顔に当たる風が冷たくて心地いい。
まずは夜明けの品川ふ頭。前回のサーキット走行(5月4日)で空気を抜いた状態のままだったので、というかそれから乗っていなかったな。
コンプレッサーの音が迷惑にならない場所でネオバに空気を入れた。
品川ふ頭から眺めるレインボーブリッジが、逆光で巨大なシルエットを映している。
よし、久々に橋を渡ってみよう。
そして来た道を逆戻り。目黒から首都高に乗り、東京タワーを眺めながら銀座方面のルートへ。浜崎橋JCTをまずは左に。首都高を1周してみよう。
客室の窓が朝日に輝くコンラッド東京。背景のまだ暗い空や足下の浜離宮とのコントラストが美しい。
その景色に見とれていると目の前に発煙筒が。カーブを過ぎた汐留のところでフェアレディZが事故ってた。同じように見とれてしまっていたのか?ドライバーとその彼女らしいミニスカートの女性がオロオロ。すでに高速警察が駆けつけていた。無事で何より。
それを尻目に東銀座の複合コーナーを抜ける。
首都高のもっともエキサイティングなゾーン。橋脚を抜けると、後ろから乾いた甲高いエギゾーストが迫ってくる。
黄色いシルエット。
フェラーリだ。
型式はわからないが、かなりのスピード。宝町から京橋の直線で一気にブチ抜かれる。
呉服橋の合流でトラックに捕まったようで追いつくが、さすがにフェラーリ、まだまだ余裕があるようで、永田町のトンネルにはいると一気に回転数を上げ、トンネルの端から端までF1サウンドを響かせて一気に俺を引き離し、彼はそのまま中央道方面に消えていった。
トンネル内の爆音はオープンの俺には鼓膜が突き破られそうな攻撃的なサウンドではあるが、久々に脳に響くエギゾーストは逆に心地がよかった。
首都高を1周し、再び浜崎橋JCT。そのまま今度は日の出方面へ。
朝日に照らされるレインボーブリッジ。朝靄にかすむビル群と朝日に照らされる東京湾を眺める。少しスピードを緩めてみた。誰もいないレインボーブリッジ。少し車を止めて景色を堪能したいくらいのすばらしい朝だ。
本当はこのまま東関道を通ってそのままどこかへ行きたい衝動があるが、今日もまた朝から休日出勤。そんなことは許されない。
今日のこの仕事が最後の大一番だから、気を引き締めなければ。
台場のサンクスでコーヒーを買い、フジテレビを眺めながらタバコを一服。
何も考えずに、ただただボーっとロードスターに寄りかかって、コーヒーとタバコの至福のひととき。
そして今度はレインボーブリッジの下側(無料ルート)を通り、海岸通りを下って無事に帰宅。
久々に、1時間も走らなかったけど、すごく充実して、癒された時間を過ごした気がしました。
近くに峠も何もない、気ままにロードスターを走らせることもできない、ストレスだらけのアーバンライフだけど、この一瞬のために、頑張って楽しんでいこう。